<メッセージノート>

2014/6/22 メッセージノート (使徒言行録 23:12-35)
神様が道を整える


A. パウロ暗殺の陰謀

1) 陰謀 (12-15)

夜が明けると、ユダヤ人たちは陰謀をたくらみ、パウロを殺すまでは飲み食いしないという誓いを立てた。このたくらみに加わった者は、四十人以上もいた。彼らは、祭司長たちや長老たちのところへ行って、こう言った。「わたしたちは、パウロを殺すまでは何も食べないと、固く誓いました。ですから今、パウロについてもっと詳しく調べるという口実を設けて、彼をあなたがたのところへ連れて来るように、最高法院と組んで千人隊長に願い出てください。わたしたちは、彼がここへ来る前に殺してしまう手はずを整えています。」


2) 神様の介入 (16-22)

しかし、この陰謀をパウロの姉妹の子が聞き込み、兵営の中に入って来て、パウロに知らせた。それで、パウロは百人隊長の一人を呼んで言った。「この若者を千人隊長のところへ連れて行ってください。何か知らせることがあるそうです。」そこで百人隊長は、若者を千人隊長のもとに連れて行き、こう言った。「囚人パウロがわたしを呼んで、この若者をこちらに連れて来るようにと頼みました。何か話したいことがあるそうです。」千人隊長は、若者の手を取って人のいない所へ行き、「知らせたいこととは何か」と尋ねた。若者は言った。「ユダヤ人たちは、パウロのことをもっと詳しく調べるという口実で、明日パウロを最高法院に連れて来るようにと、あなたに願い出ることに決めています。どうか、彼らの言いなりにならないでください。彼らのうち四十人以上が、パウロを殺すまでは飲み食いしないと誓い、陰謀をたくらんでいるのです。そして、今その手はずを整えて、御承諾を待っているのです。」そこで千人隊長は、「このことをわたしに知らせたとは、だれにも言うな」と命じて、若者を帰した。


B. 神様はパウロをローマに導く

1) 人々を用いて (23-25)


千人隊長は百人隊長二人を呼び、「今夜九時カイサリアへ出発できるように、歩兵二百名、騎兵七十名、補助兵二百名を準備せよ」と言った。また、馬を用意し、パウロを乗せて、総督フェリクスのもとへ無事に護送するように命じ、次のような内容の手紙を書いた。「クラウディウス・リシアが総督フェリクス閣下に御挨拶申し上げます。この者がユダヤ人に捕らえられ、殺されようとしていたのを、わたしは兵士たちを率いて救い出しました。ローマ帝国の市民権を持つ者であることが分かったからです。そして、告発されている理由を知ろうとして、最高法院に連行しました。ところが、彼が告発されているのは、ユダヤ人の律法に関する問題であって、死刑や投獄に相当する理由はないことが分かりました。しかし、この者に対する陰謀があるという報告を受けましたので、直ちに閣下のもとに護送いたします。告発人たちには、この者に関する件を閣下に訴え出るようにと、命じておきました。」さて、歩兵たちは、命令どおりにパウロを引き取って、夜のうちにアンティパトリスまで連れて行き、翌日、騎兵たちに護送を任せて兵営へ戻った。騎兵たちはカイサリアに到着すると、手紙を総督に届け、パウロを引き渡した。総督は手紙を読んでから、パウロがどの州の出身であるかを尋ね、キリキア州の出身だと分かると、「お前を告発する者たちが到着してから、尋問することにする」と言った。そして、ヘロデの官邸にパウロを留置しておくように命じた。


2) 神様は私をどこへ? (詩編 37)

悪事を謀る者のことでいら立つな。不正を行う者をうらやむな。彼らは草のように瞬く間に枯れる。青草のようにすぐにしおれる。主に信頼し、善を行え。この地に住み着き、信仰を糧とせよ。主に自らをゆだねよ。主はあなたの心の願いをかなえてくださる。あなたの道を主にまかせよ。信頼せよ、主は計らい、あなたの正しさを光のように、あなたのための裁きを真昼の光のように輝かせてくださる。沈黙して主に向かい、主を待ち焦がれよ。繁栄の道を行く者や悪だくみをする者のことでいら立つな。怒りを解き、憤りを捨てよ。自分も悪事を謀ろうと、いら立ってはならない。悪事を謀る者は断たれ、主に望みをおく人は地を継ぐ。(詩編37:1-9) 

主は人の一歩一歩を定め御旨にかなう道を備えてくださる。人は倒れても、打ち捨てられるのではない。主がその手をとらえていてくださる。(詩編37:23, 24) 

主に従う人の救いは主のもとから来る、災いがふりかかるとき砦となってくださる方のもとから。主は彼を助け、逃れさせてくださる主に逆らう者から逃れさせてくださる。主を避けどころとする人を、主は救ってくださる。(詩編37:39, 40)




メッセージのポイント
妨害する人、助けてくれる人、自分の都合で関わってくる人、愛によって手を差し伸べてくれる人。あらゆる人々を用いて、神様は私たちを導いてくださいます。今、立ちはだかる困難に目を奪われることなく、自分に対する神様の計画を信じて、その時出来るベストを尽くして歩み続けましょう。

話し合いのために
1) なぜパウロはこれほどまでにユダヤ人に憎まれたのでしょうか?
2) 千人隊長はなぜパウロをユダヤ人の陰謀から救おうとしたのでしょうか?

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<メッセージ全文>

2014/6/22 メッセージノート (使徒言行録 23:12-35)
神様が道を整える

 先週、私たちはサウル王の人物像を通して、自信が持てないことが神様を信頼出来ないことと深く結びついていると学びました。神様を信じることが出来たということは神様に選ばれているということです。せっかく神様に選ばれているのに、神様を信頼しないならサウルのような人生を歩むことになってしまいます。ところで今日の主人公パウロは元々ヘブル語名、サウロで綴りは少し違いますが、先週の王と同じ名前を持っているのです。しかしパウロの方は、イエスに呼びかけられるという形で神様に選ばれて以来、サウル王とは対照的に神様を信頼し続けた人生を歩みました。高慢にもならず、卑屈にもならず、自分の弱さの中に神様が強く働かれることを喜ぶ人でした。サウルのようにではなくパウロのように神様を信頼し自信をもって歩むことを学びましょう。


A. パウロ暗殺の陰謀

1) 陰謀 (12-15)

夜が明けると、ユダヤ人たちは陰謀をたくらみ、パウロを殺すまでは飲み食いしないという誓いを立てた。このたくらみに加わった者は、四十人以上もいた。彼らは、祭司長たちや長老たちのところへ行って、こう言った。「わたしたちは、パウロを殺すまでは何も食べないと、固く誓いました。ですから今、パウロについてもっと詳しく調べるという口実を設けて、彼をあなたがたのところへ連れて来るように、最高法院と組んで千人隊長に願い出てください。わたしたちは、彼がここへ来る前に殺してしまう手はずを整えています。」

 「夜が明けると」とありますが、それがどんな夜だったかおぼえていますか?パウロが、ユダヤ人の襲撃を避けるためにローマの営倉に入れられ、そこにイエスが現れて「勇気を出せ。エルサレムでわたしのことを力強く証ししたように、ローマでも証しをしなければならない」と励まされた夜です。神様の計画は決まっていました。人がどんなに巧妙な計画を立てても、神様の計画を覆すことはできません。しかし暗殺者たちはまだそれをわかっていませんでした。神様を脇において自分の思い通りに物事を運びたい人にとって、神様を喜ぶ人ほど嫌な者はいないのです。律法を形式的に守っていれば、あとは自分の思いのままに出来るという考えに異を唱える者は攻撃されるのです。ヘロデ王はバプテスマのヨハネに違法な結婚を責められて結局、ヨハネを殺してしまいます。イエスも、権力者や宗教指導者たちから憎まれて十字架に付けられてしまいました。しかし神様はパウロをまだここで天国に呼び帰すつもりはありませんでした。ローマに導くという計画があったのです。そこで神様は不思議な方法でこの陰謀を失敗させるために介入なさいます。16-22節を読みましょう。


2) 神様の介入 (16-22)

しかし、この陰謀をパウロの姉妹の子が聞き込み、兵営の中に入って来て、パウロに知らせた。それで、パウロは百人隊長の一人を呼んで言った。「この若者を千人隊長のところへ連れて行ってください。何か知らせることがあるそうです。」そこで百人隊長は、若者を千人隊長のもとに連れて行き、こう言った。「囚人パウロがわたしを呼んで、この若者をこちらに連れて来るようにと頼みました。何か話したいことがあるそうです。」千人隊長は、若者の手を取って人のいない所へ行き、「知らせたいこととは何か」と尋ねた。若者は言った。「ユダヤ人たちは、パウロのことをもっと詳しく調べるという口実で、明日パウロを最高法院に連れて来るようにと、あなたに願い出ることに決めています。どうか、彼らの言いなりにならないでください。彼らのうち四十人以上が、パウロを殺すまでは飲み食いしないと誓い、陰謀をたくらんでいるのです。そして、今その手はずを整えて、御承諾を待っているのです。」そこで千人隊長は、「このことをわたしに知らせたとは、だれにも言うな」と命じて、若者を帰した。

 神様は人間が思いつかない方法で暗殺計画を狂わせてゆきます。神様にはCIAもFBIも必要ありません。神様があなたを助けようとするなら、あらゆる人を用いることができます。大人でも子供でも、あなたに好意を持っている人も、関心がない人も、あなたを嫌いな人をも用いられるのです。神様はパウロの甥に当たる普通の若者を用いてパウロに知らせ、パウロはローマの千人隊長に若者を会わせて、陰謀は千人隊長の知るところとなりました。千人隊長はローマ人を保護しなければなりません。しかし、これ以上パウロをエルサレムで保護することは危険だと判断し彼の上司、ユダヤ地域のローマ総督がいる、地中海沿岸の都市カイサリアに移すことにします。
神様はこの暗殺計画のような、スリリングな緊急事態にだけ感心を持っているのではありません。みなさんが気がつかないだけで、日常生活の中で本当に必要な助けを神様は与えて下さっているのです。神様を知らない人はそれを「偶然」と呼びます。寂しいと思いませんか?良いことも悪いことも偶然です。そして人生の全ては偶然に支配されていると思う人は多いのです。生きるのも、死ぬのも偶然です。
 私たちはそんな風に思わないで済むことを神様に感謝します。大きなことも小さなことも、嬉しいことも悲しいことも、神様に許されて起こることで、そうであるなら、私たちはどんなことでも必ず神様が益としてくださるということを知っています。一つ提案ですが、偶然という言葉は罰金つきのNGワードにして、例えばヌルフダの子供達のサポートのためにプールしませんか?それは彼らの状況に対して私たちが偶然彼らと知り合えたのでもなく、子供たちは受け入れるしかない偶然でそこにいるのでもないという宣言です。良い事も悪い事も偶然ではありません。神様の必然なのです。



B. 神様はパウロをローマに導く

1) 人々を用いて (23-25) 

千人隊長は百人隊長二人を呼び、「今夜九時カイサリアへ出発できるように、歩兵二百名、騎兵七十名、補助兵二百名を準備せよ」と言った。また、馬を用意し、パウロを乗せて、総督フェリクスのもとへ無事に護送するように命じ、次のような内容の手紙を書いた。「クラウディウス・リシアが総督フェリクス閣下に御挨拶申し上げます。この者がユダヤ人に捕らえられ、殺されようとしていたのを、わたしは兵士たちを率いて救い出しました。ローマ帝国の市民権を持つ者であることが分かったからです。そして、告発されている理由を知ろうとして、最高法院に連行しました。ところが、彼が告発されているのは、ユダヤ人の律法に関する問題であって、死刑や投獄に相当する理由はないことが分かりました。しかし、この者に対する陰謀があるという報告を受けましたので、直ちに閣下のもとに護送いたします。告発人たちには、この者に関する件を閣下に訴え出るようにと、命じておきました。」さて、歩兵たちは、命令どおりにパウロを引き取って、夜のうちにアンティパトリスまで連れて行き、翌日、騎兵たちに護送を任せて兵営へ戻った。騎兵たちはカイサリアに到着すると、手紙を総督に届け、パウロを引き渡した。総督は手紙を読んでから、パウロがどの州の出身であるかを尋ね、キリキア州の出身だと分かると、「お前を告発する者たちが到着してから、尋問することにする」と言った。そして、ヘロデの官邸にパウロを留置しておくように命じた。

 千人隊長はかなりの危機感をいだいていたようで、その夜の内にパウロをカイサリアに向かわせました。カイサリアのローマ総督の官邸はヘロデ王の元離宮でその留置室に留められることになります。実際、パウロはその後すぐにローマに向かう事にはならず二年ほどカイサリアで過ごすことになります。パウロが、自分の思い通りにことが進む事を強く望む人であれば絶望していたかもしれません。しかしこの時のパウロはもう自分の時間の流れではなく神様の時間の流れで物事を考える人になっていたのでしょう。パウロはこの二年間を、王や総督にイエスを紹介するときとして用いました。ヘロデ王にしても、総督にしても自分ではっきりとイエスに従うと決心することはありませんでしたが、イエスがパウロを通して彼らの心に語りかける機会はあったのです。このことを通して彼らの回りにいた人々でイエスに出会う人も起こされたかもしれません。



2) 神様は私をどこへ? (詩編 37)

 パウロは神様によってやがてローマに導かれてゆきます。しかし、その道程は遠く本当に神様は自分のために計画を進めていてくださるのだという確信は揺らいでも不思議ではありませんでした。私たち自身のこととして、どのような時にもパウロのように神様を信頼し続けられるように、パウロも親しんでいたであろう詩編37編から、神様の戒めを受け取りましょう。まず1-9編を読みます。


悪事を謀る者のことでいら立つな。不正を行う者をうらやむな。彼らは草のように瞬く間に枯れる。青草のようにすぐにしおれる。主に信頼し、善を行え。この地に住み着き、信仰を糧とせよ。主に自らをゆだねよ。主はあなたの心の願いをかなえてくださる。あなたの道を主にまかせよ。信頼せよ、主は計らい、あなたの正しさを光のように、あなたのための裁きを真昼の光のように輝かせてくださる。沈黙して主に向かい、主を待ち焦がれよ。繁栄の道を行く者や悪だくみをする者のことでいら立つな。怒りを解き、憤りを捨てよ。自分も悪事を謀ろうと、いら立ってはならない。悪事を謀る者は断たれ、主に望みをおく人は地を継ぐ。(詩編37:1-9) 

 いら立ってはいけません。この厄介な感情は、正しい判断を妨げ、周りの人々を不安、不快にさせ、神様を悲しませ、悪魔だけを喜ばせるものです。怒りをエネルギーにするのではなく、「信仰を糧とせよ。」と詩編は教えてくれます。対抗して怒るのでもなく、より繁栄しようとするのではなく、。「沈黙して主に向かい、主を待ち焦がれよ。」 というのです。自分の心が苛立つ時、すぐに主に助けを祈り求めましょう。「どうぞ私のいらだちを沈めてください。あなたに信頼して心安らかに変えて下さい」 と祈ることにしましょう。23,24節にはこうあります。

主は人の一歩一歩を定め御旨にかなう道を備えてくださる。人は倒れても、打ち捨てられるのではない。主がその手をとらえていてくださる。(詩編37:23, 24) 

 私たちの辞書に「偶然」はないと同様に「絶望」はありません。自分で勝手に「失望」してしまうことはあっても、神様の方から打ち捨てられることはないからです。そこで何かの望みが絶たれるなら、それは本当の望み、未来ではなかったということです。私の知っている多くの人が、自分の希望がかなわず別の道に進んだけれどもそれによって天職に巡り会えた経験を持っています。生涯のパートナーに出会うということにおいてもそのようなことは起こります。最後に39,40節に触れたいと思います。

主に従う人の救いは主のもとから来る、災いがふりかかるとき砦となってくださる方のもとから。主は彼を助け、逃れさせてくださる主に逆らう者から逃れさせてくださる。主を避けどころとする人を、主は救ってくださる。(詩編37:39, 40)

 神様だけが逃げこむ場所です。避難場所を間違えてはいけません。「主に従う者の助けは主のもとから来る」平穏なときには、そんなことはあたりまえだと感じるでしょう。しかし私たちは、主に従う者でありながら、違うところから安心を求めようとしてしまいます。主がリアルではないからです。神様のことを、状況によって信じられなくなったい、遠くに感じてしまうことがある人は、主をもっと近くにリアルに感じていられるようになって頂きたいと思います。それはもっと真剣な礼拝、もっと真剣な応答によって得ることが出来ます。それらが行われるときに、その人の日常生活の中に介入される神様をもっとリアルに感じることが出来るようになります。
 神様は、妨害する人も助けてくれる人も、自分の都合で関わってくる人も愛によって手を差し伸べてくれる人も、あらゆる人々を用いて私たちを導いてくださいます。今、目の前に立ちはだかる困難に立ちすくみ絶望することなく、自分に対する神様の計画を信じて、いつでも今出来るベストを尽くして歩み続けましょう。



メッセージのポイント
妨害する人、助けてくれる人、自分の都合で関わってくる人、愛によって手を差し伸べてくれる人。あらゆる人々を用いて、神様は私たちを導いてくださいます。今、立ちはだかる困難に目を奪われることなく、自分に対する神様の計画を信じて、その時出来るベストを尽くして歩み続けましょう。

話し合いのために
1) なぜパウロはこれほどまでにユダヤ人に憎まれたのでしょうか?
2) 千人隊長はなぜパウロをユダヤ人の陰謀から救おうとしたのでしょうか?