2007/5/27 メッセージノート イザヤ書14章シリーズP

神様の憐れみ・力・計画があなたを解放する

聖書の書かれた時代のイスラエルは、ほとんど周りの大きく強い国々の支配を受けていました。現在の国際連合はなかなかうまく機能していないように思えますが、当時は、そのようなものはなく強い国が弱い国を支配することは当たり前の事でした。イザヤの預言した時代のイスラエルは、その中でも特に過酷な支配の下にありました。

神様の民ですから、神様なんていないのだとは考えませんでしたが、本当に私を守る、私を救う神様ではないのだろう、という絶望感が時代を支配していたのです。

もしあなたが、神様と正しい関係を保っていないなら、あなたの魂の状態は当時のイスラエルの置かれていたのと同じ状況の下にあります。今の生活は楽しく快適なものであると感じているかもしれません。しかし、ほんとうの問題はあなたがどう感じているかなのではなく、客観的に、実際のところ、あなたの魂はどんな状況に置かれているか、なのです。幸福感、絶望感はすぐに変わってしまうものです。何か事が起これば、幸福の絶頂から、絶望の底に突き落とされてしまいます。楽しく日々を過ごしているようで、実際には魂の危機が来ているのに気付かないだけかも知れません。楽しく快適な生活のなかでも、漠然とした不安に襲われることもあります。将来を考えると心配な気持ちに押しつぶされそうになることもあります。それは、神様からのシグナルです。多くの人は考えないようにしよう、忘れていようと、日々を「幸福感」で埋めようと努力しています。でもそれは本当の解決にはならないのです。神様はあなたに、頼りない幸福感ではなく、何があってもゆるがない魂の平安を与えてくださいます。

このテキストから、あなたの心にしっかりと留めていただきたいことを一言でいうなら、「神様はあなたを決して見放さない」ということです。

それは、1)神様の憐れみがあなたに向けられているから、2)神様が誰よりも、何よりも力あるお方だから、3)そして神様はあなたに最高の計画をお持ちだからです。

今朝はこの三つのことをと、4)それをあなたが知って安心するためにどうしたらよいか、ということをお話しします。

1) 神様の憐れみによって解き放たれる時が来る (1)

まことに、主はヤコブを憐れみ/再びイスラエルを選び/彼らの土地に置いてくださる。寄留の民は彼らに加わり/ヤコブの家に結び付く。(1)

イスラエルの民がどんなに背信を重ねても、神様はこの民を見捨てようとはなさいません。エジプトで奴隷として苦しめられていたイスラエルの民を解放された神様は、もう一度、囚われた者を解放なさる、というのです。

神様は、一度神様に従って生きてゆこうとしたけれど背を向けた者にも、今までずっと神様を否定し続けた者にもチャンスを与えてくださるということです。何度、裏切り、失敗しても、神様は憐れむことをお止めにはなりません。今の困難がどのようなものであっても、自分が引き起こした災難であっても、神様は手を差し伸べてくださいます。

どんなに預言者を送っても、背を向け続けた民の中に、神様はイエス・キリストという一人の人としてこられ、十字架にかかられました。神様の憐れみの頂点です。それがあなたにも向けられています。沢山の人がその意味を知らずに十字架のアクセサリーをつけています。神様は、その本当の意味を知ってほしいと願っておられます。神様は御子イエスを私たちの解放のために十字架にかけてその命を与えてくださったほどに、あなたを憐れんでおられます。そして、あなたが神様のところに、イエスキリストを信じ、従うことをとおして帰ってくることを願っておられます。

2) 万軍の主としての神様の力が敵の支配を砕く (3-8)

主が、あなたに負わせられた苦痛と悩みと厳しい労役から、あなたを解き放たれる日が来る。 そのとき、あなたはバビロンの王に対して、この嘲りの歌をうたう。ああ、虐げる者は滅び/その抑圧は終わった。 主は、逆らう者の杖と/支配者の鞭を折られた。 かつて、彼らは激怒して諸民族を撃ち/撃って、とどまることを知らなかった。また、怒って諸国民を支配し/仮借なく踏みにじった。 しかし今、全世界は安らかに憩い/喜びの声を放つ。 糸杉もレバノン杉も/お前のことで喜ぶ。「ついに、お前が倒れたから/もはや、切り倒す者が/我々に向かって来ることはない。」(3-8)

神様が大きな力で、あなたの前に立ちはだかる絶望的に高く大きな壁をくずしてしまう方であることを、私たちは知っています。しかし、それが実際に起こるまでは信じ難いことです。ある人は、それは聖書の中のお話だからとか、他の誰かには起こるかもしれないけれど自分にだけは決して起こらないと、堅く信じています。神様は最善を最善のタイミングでして下さる方です。もしあなたが、それを信じられないというのなら、この教会に長く通っていそうな人に聞いてみて下さい。私たちはそれぞれ様々な形で神様の力を体験してきました。それはあなたにも起こることです。だから心からあなたにお伝えしたいのです。がっかりするような事は起っても、絶望することはないのです。万軍の主と呼ばれる方があなたを支えるからです。誰も神様の力に対抗にできません。あなたが神様の側に立つなら、どんな悪の力にも敗北することは決してありません。

3) 必ず実現に至る全世界に及ぶ解放の計画 (24-27)

万軍の主は誓って言われる。「わたしが計ることは必ず成り/わたしが定めることは必ず実現する。わたしの領土で、アッシリアを滅ぼし/わたしの山々で彼らを踏みにじる。その軛は、わが民から取り去られ/その重荷は、肩からはずされる。」これこそ、全世界に対して定められた計画/すべての国に伸ばされた御手の業である。万軍の主が定められれば/誰がそれをとどめえよう。その御手が伸ばされれば/誰が引き戻しえよう。(24-27)

この社会は混沌として、先行きは誰にもわからないかのように見えます。世界も、私の人生も。しかし神様はこの世界に対して計画をお持ちです。世界などというと、すごい計画かもしれないけれど、それが私にどういう関係があるのですか?と言いたくなってしまうかもしれませんが、神様にとっては、あなたの人生もその計画の大切な一部なのです。神様はあなたのためにも最高の計画を持っていらっしゃるのです。私たちに必要なことは期待すること。絶望しないこと。注意深く聞き従ってゆくことです。

4) 信じて身を寄せ、解放を待とう (32)

神様があなたを見捨てない三つの根拠についてお話ししてきました。問題は、どうしてその恵みを私が受け取ることができるかということです。32節を読みましょう。

異国の使者たちに、何と答えるべきか。「シオンの基を据えられたのは主である。苦しむ民は、そこに身を寄せる」と答えよ。(32)

キリスト教会は2000年の間この世界に存在してきました。その目的は今も変わってはいません。教会はあなたに、身を寄せる場所があるという、この事実を伝えるために存在しているのです。 

あなたがどんな状態に置かれていたとしても、あきらめてはいけません。誰よりもあなたを深く憐れんでくださる方が招いておられます。力を持って障害を取り除いてくださる方があなたを助けます。聞こうとするなら、最高の計画を実現することが出来るのです。

しかし、神様がどんなに憐れみ深く、また力強く、あなたに良いプランを持っていたとしても、あなたにそれを受け取りたいという願いがなければ、神様は無理やり押し付けようとはなさいません。新約聖書はイエス様御自身の言葉を次のように記録しています。

疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。 わたしは柔和で謙遜な者だから、わたしの軛を負い、わたしに学びなさい。そうすれば、あなたがたは安らぎを得られる。 わたしの軛は負いやすく、わたしの荷は軽いからである。」(マタイによる福音書11:28-30)

この恵みに与っていない方はどうか、イエスキリストを主と信じ、魂の平安を得てください。そしてこの恵みを受け取った方は、それを見失わないで下さい。そして、あなたの周りの人々に伝えてください。

メッセージのポイント

神様に背を向け、自ら悲惨な歴史を選びとったイスラエルに対してでさえ、神様は憐れむことをやめようとはなさらない。神様は回復して下さる方です。この方が、私たちの苦しみ、困難の時も私たちを憐れみ、必ず解き放って下さいます。あなたの神様は、憐れみの神であり、力の神であり、あなたのために良い計画を実現なさる方だからです。困難なときには、この方に身を寄せて過ぎ去るのを待つことができます。

話し合いのヒント

1) 神様の、憐れみ・力・計画を強く覚えた出来事についてシェアしましょう。

2) 32節をあなたの言葉に読み替えてみましょう。