<メッセージノート>

2013/5/26 使徒言行録 9:21-31
教会の基礎が固まる

A ユダヤ人の困惑

1) 迫害者が伝道者になってしまった (21,22)

21 これを聞いた人々は皆、非常に驚いて言った。「あれは、エルサレムでこの名を呼び求める者たちを滅ぼしていた男ではないか。また、ここへやって来たのも、彼らを縛り上げ、祭司長たちのところへ連行するためではなかったか。」
22 しかし、サウロはますます力を得て、イエスがメシアであることを論証し、ダマスコに住んでいるユダヤ人をうろたえさせた。




2) 敵となったサウロを殺す計画 (23-25)

23 かなりの日数がたって、ユダヤ人はサウロを殺そうとたくらんだが、
24 この陰謀はサウロの知るところとなった。しかし、ユダヤ人は彼を殺そうと、昼も夜も町の門で見張っていた。
25 そこで、サウロの弟子たちは、夜の間に彼を連れ出し、籠に乗せて町の城壁づたいにつり降ろした。




B エルサレムからタルソスへ


1) 弟子たちに仲間と認められる (26-28)

26 サウロはエルサレムに着き、弟子の仲間に加わろうとしたが、皆は彼を弟子だとは信じないで恐れた。
27 しかしバルナバは、サウロを連れて使徒たちのところへ案内し、サウロが旅の途中で主に出会い、主に語りかけられ、ダマスコでイエスの名によって大胆に宣教した次第を説明した。
28 それで、サウロはエルサレムで使徒たちと自由に行き来し、主の名によって恐れずに教えるようになった。




2) 身の危険を感じてタルソスへ (29-31)

29 また、ギリシア語を話すユダヤ人と語り、議論もしたが、彼らはサウロを殺そうとねらっていた。
30 それを知った兄弟たちは、サウロを連れてカイサリアに下り、そこからタルソスへ出発させた。
31 こうして、教会はユダヤ、ガリラヤ、サマリアの全地方で平和を保ち、主を畏れ、聖霊の慰めを受け、基礎が固まって発展し、信者の数が増えていった。




メッセージのポイント
神様は、ただ恐ろしい迫害者サウロを改心させるだけではなく、良い知らせを世界中に広めるために彼を用いようとしていました。最初の弟子たち、ステファノだけではなくサウロもまた、イエス様の良い知らせを伝える者だという理由で命を狙われる者となりました。彼によって始められた世界宣教の働きによって、そこから多くの人を通して、良い知らせは私達に届きました。この計画はあなたに良い知らせが届くためだったのです。しかし、神様の計画はあなたで終わりではありません。あなたにこの知らせを伝えられる人が(本人は自覚していなくても)待っています。


話し合いのために
1) ユダヤ人はなぜサウロを殺そうとしたのですか?
2) サウロはどのような気持ちでタルソスに向かったのでしょうか?

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<メッセージ全文>

2013/5/26 使徒言行録 9:21-31
教会の基礎が固まる

A ユダヤ人の困惑

1) 迫害者が伝道者になってしまった (21,22)

21 これを聞いた人々は皆、非常に驚いて言った。「あれは、エルサレムでこの名を呼び求める者たちを滅ぼしていた男ではないか。また、ここへやって来たのも、彼らを縛り上げ、祭司長たちのところへ連行するためではなかったか。」
22 しかし、サウロはますます力を得て、イエスがメシアであることを論証し、ダマスコに住んでいるユダヤ人をうろたえさせた。

先週、サウロがダマスコの町に向かう途中でイエスに出会い、イエスを信じる者を迫害する者から、イエス伝える者に変えられたお話をしました。この出来事を聞いたのでダマスコに住む人々は大変驚いたのです。サウロはイエスを認めない人々にとっては最悪の裏切り者となったのです。妨害も大きかったでしょう。しかし、書かれているようにサウロはますます神様からの力を得てイエスがメシアだと伝え始めたのです。論証したと書いてありますから、自分に起こった出来事をはなすだけではなく、イエスの十字架の死と復活こそが、旧約聖書でも預言されていた、本当のメシア:救い主のしるしだと説得力のある証言をし始めたということです。反対者たちはうろたえるしかないほど力強いものだったのです。けれども最初の戸惑いはやがてサウロを殺して黙らせようという態度に変わってゆきました。もはや論争しても勝つことはできないと分かっていたからです。


2) 敵となったサウロを殺す計画 (23-25)

23 かなりの日数がたって、ユダヤ人はサウロを殺そうとたくらんだが、
24 この陰謀はサウロの知るところとなった。しかし、ユダヤ人は彼を殺そうと、昼も夜も町の門で見張っていた。
25 そこで、サウロの弟子たちは、夜の間に彼を連れ出し、籠に乗せて町の城壁づたいにつり降ろした。

自分の身が危ないことを知って、パウロは一旦、街の外に逃れることにしました。すでにサウロには彼と行動を共にする弟子がいました。元々のサウロの弟子で、サウロがイエスに出会って変えられた時に自分たちも従った者たちかもしれません。サウロは命を狙う者から、命を狙われる者になってしまいました。ユダヤ人はなんとかこのダマスコでサウロを殺してしまいたいと考えて、町の外に出る門を24時間交替で見張っていたのです。もう捕まるしかない、そのような状態でもサウロたちは慌てませんでした。「聖霊に教えられる」 それは信じる者、従う者の特権です。彼らが賢く、反対者たちが愚かだったのではありません。彼らが聖霊に知恵を求めたので誰も思いつかなかった脱出の方法を与えられダマスコを抜け出すことができたのです。どんな実態に直面しても、慌てずに聖霊の助けを求めましょう。


B エルサレムからタルソスへ


1) 弟子たちに仲間と認められる (26-28)

26 サウロはエルサレムに着き、弟子の仲間に加わろうとしたが、皆は彼を弟子だとは信じないで恐れた。
27 しかしバルナバは、サウロを連れて使徒たちのところへ案内し、サウロが旅の途中で主に出会い、主に語りかけられ、ダマスコでイエスの名によって大胆に宣教した次第を説明した。
28 それで、サウロはエルサレムで使徒たちと自由に行き来し、主の名によって恐れずに教えるようになった。

こうしてダマスコを逃れたサウロは、エルサレムに戻ります。迫害者としてエルサレムを出て行ったのに、イエスに従う者として帰ってきたのです。エルサレムは彼にとってダマスコよりももっと危険な場所だったはずです。何処かに逃れることも出来ました。けれどもサウロは弟子たちに会わなければならないと考えたのです。弟子たちはまだサウロを恐れていましたが、そこで間に立って誤解を解いたのはバルナバです。4章で最初に登場した時の記事にあったように「慰めの子」という意味を持つ名を持ったこの人は、その名の通り良い働きをしていますが、ここでも大変重要な役割を担ったことがわかります。彼が疑いと恐れを拭い切れないでいる弟子たちに働きかけて、サウロを仲間であると認めるように勧め、ようやく彼は弟子1人として自由に教えることができるようになりました。バルナバは元々の弟子でもなく、奉仕者として選ばれた七人にも入っていない人物です。しかし彼の犠牲やリスクをいとわない愛と柔軟な人を見る目によって、12人やパウロと同様に使徒と呼ばれる事になったのです。キリストに従う者は1人ではありません。孤独ではありません。それぞれに与えられている賜物や能力の違いによって、異なる働きを担い、共に働いて一つの体の中で自分の機能を果たすようにデザインされているのです。サウロはこうしてバルナバの働きによって、イエスに従うものの仲間と認められて、より大胆に教えるようになります。しかしそれは同時に、反対者から見ればますます憎むべき者として元の弟子たち以上に目立つようになってきたということです。


2) 身の危険を感じてタルソスへ (29-31)

29 また、ギリシア語を話すユダヤ人と語り、議論もしたが、彼らはサウロを殺そうとねらっていた。
30 それを知った兄弟たちは、サウロを連れてカイサリアに下り、そこからタルソスへ出発させた。
31 こうして、教会はユダヤ、ガリラヤ、サマリアの全地方で平和を保ち、主を畏れ、聖霊の慰めを受け、基礎が固まって発展し、信者の数が増えていった。

カイサリアはエルサレムから北西100キロ弱の地中海に面した港町です。弟子たちの計画は、サウロをそこから海路で、彼の出身地タルソスに送り返すことでした。タルソスは今のトルコにある都市で当時はローマ帝国の支配下にありました。この出来事の後、ユダヤ、ガリラヤ、サマリアでは少し状況が落ち着き、教会の基礎が固まり発展し、信者の数も増えて行きました。イエスに従う者たちのムーヴメントに、ここまで数年間エルサレムはヒステリックな反応を示しましたが、従う者たちは、妥協することもなく、しかし賢く、愛を表し続けた結果です。一方パウロはタルソスに戻り、やがてそこから200キロ程離れたアンティオキアを拠点に活動して、ヨーロッパ宣教の拠点となる教会を指導し、自らも最後にローマにまで到達します。 命を狙われたという不本意な理由で故郷に戻らなければならなかったサウロですが、そこには神様の綿密な計画がありました。アンティオキアにはユダヤでの迫害から逃れて多くの人々が住み始めていたので指導者が必要となり、あのバルナバが派遣され、バルナバはサウロをスカウトして二人でアンティオキア教会を育てることになります。どんなに良い計画と思われてもうまくいかないことは起こります。絶望せずに置かれた状況の中でも主を信頼しているなら、次になすべきことが見えてきます。ユアチャーチは今年9月で創立20周年を迎えますが、決して計画通りの順調な出発ではなかったのです。その途中で、何度か困難な事もありました。ここで共に働き、時が来て去っていった人々も多くいます。頼るべきではなかった人に頼って回り道もしました。それでも私たちはこの時代の教会のように、主を畏れ、聖霊の慰めを受け、基礎が固まって発展し、信者の数が増えきました。さらに、神様は私たちを、アンティオキアの教会のようにそれ自体の成長にとどまらずに新しい働きを担ってゆくように、新しい段階に入ってゆくことを促しておられるように感じます。過去を感謝するだけでなく、将来を期待できる20周年を迎えられるとななんとも嬉しいことです。主に感謝し期待して、しっかりと一歩一歩、歩みを進めてゆきましょう。


メッセージのポイント
神様は、ただ恐ろしい迫害者サウロを改心させるだけではなく、良い知らせを世界中に広めるために彼を用いようとしていました。最初の弟子たち、ステファノだけではなくサウロもまた、イエス様の良い知らせを伝える者だという理由で命を狙われる者となりました。彼によって始められた世界宣教の働きによって、そこから多くの人を通して、良い知らせは私達に届きました。この計画はあなたに良い知らせが届くためだったのです。しかし、神様の計画はあなたで終わりではありません。あなたにこの知らせを伝えられる人が(本人は自覚していなくても)待っています。


話し合いのために
1) ユダヤ人はなぜサウロを殺そうとしたのですか?
2) サウロはどのような気持ちでタルソスに向かったのでしょうか?