<メッセージノート>

2015/9/13 (テモテへの手紙1 2:1-7) 
牧師としてのあなたの働き 永原アンディ

A. 正しく福音を理解して… (1-3)

1 そこで、まず第一に勧めます。願いと祈りと執り成しと感謝とをすべての人々のためにささげなさい。
2 王たちやすべての高官のためにもささげなさい。わたしたちが常に信心と品位を保ち、平穏で落ち着いた生活を送るためです。
3 これは、わたしたちの救い主である神の御前に良いことであり、喜ばれることです。


1) 祈る



2) 勧める



B. 神様の意思を知る (4-6)

4 神は、すべての人々が救われて真理を知るようになることを望んでおられます。
5 神は唯一であり、神と人との間の仲介者も、人であるキリスト・イエスただおひとりなのです。
6 この方はすべての人の贖いとして御自身を献げられました。これは定められた時になされた証しです。



C. 自分の務めを知る (7)

7 わたしは、その証しのために宣教者また使徒として、すなわち異邦人に信仰と真理を説く教師として任命されたのです。わたしは真実を語っており、偽りは言っていません。



メッセージのポイント
イエスに従う者は、それぞれが置かれたところで牧師の働きをします。それは、神様の意思に従って、そこにいる人の魂、心、体のケアをするということです。良い牧師は、適切に祈り勧めます。イエスの福音を正しく伝えます。そして神様の意思と自分の役割をもっとよく知るために努力を惜しみません。

話し合いのために
1) どのように為政者のために祈るべきでしょうか?
2) あなたはどんな務めを与えられていますか?

子供達のために
どんなに小さくても、いろいろなことを祈ることが出来ます。子供たちの祈りの焦点を広げて上げて下さい。子供たちもまた、置かれたところで牧師なのだと励まして下さい。周りの人々のために祈ってあげること、何かをしてあげることができるからです。

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<メッセージ全文>

2015/9/13 (テモテへの手紙1 2:1-7) 
牧師としてのあなたの働き 永原アンディ

 牧師は特別な訓練を受けて資格を与えられる職業のように考えられています。一つ一つの教会の責任を持つ者としてはそのような訓練、資格が必要でしょう。しかし、もっと広く考えれば、皆さん一人一人が「牧師」です。牧師の本質は「人々の魂を配慮をする人」つまり「愛する人」です。私たちは皆それぞれの場で月曜から土曜まで愛するように励まされて、ここから出てゆくのですから皆さんは牧師なのです。小さな子供がいて外で働くことの出来ないお母さんは、子供の母親であるだけではなく子供の牧師でもあります。家庭、職場、学校にいる時の牧師として、良い魂への配慮ができるように、この、パウロが若い牧師に宛てて書いた手紙から、私たちは学ぶことが出来ます。

A. 正しく福音を理解して… (1-3)

1 そこで、まず第一に勧めます。願いと祈りと執り成しと感謝とをすべての人々のためにささげなさい。
2 王たちやすべての高官のためにもささげなさい。わたしたちが常に信心と品位を保ち、平穏で落ち着いた生活を送るためです。
3 これは、わたしたちの救い主である神の御前に良いことであり、喜ばれることです。


 皆さんはそこで牧師として祈ってあげたり、アドヴァイスをしたりするわけですが、その前にクリアしておかなければならない前提条件があります。それは福音を正しく理解しているということです。この前提条件については B. の神様の意思を知るというところで詳しくお話します。


1) 祈る


 人にはいろいろな能力が与えられています。きっと皆さんは、自分の能力は大したことがないと思っているでしょう。そのことが劣等感になっているかもしれません。でもみなさんはこの国で100人に一人いるかいないかの能力に恵まれています。それは「祈ること」です。この国に住む99%以上の人が誰に何を祈ったらいいのかわかりませんから、祈れるということさえ知らない人が多い中、皆さんは祈ることが出来るのです。目の前でとか、手をおいて祈ることを望まない人のためにも別の方法で祈ることが出来ます。でも今までの経験では、ほとんどの人がたとえ自分では神様を信じていなくても、祈りを断る人はほとんどいませんでした。
 この与えられている能力、特権を軽く見ないで下さい。そして最大限活用して下さい。神様を信頼して、あなたの民に健康と平安を与えて下さい。
 私たちはこの国の未来の為に投票をしたりデモンストレーションする権利がありますが、私たちイエスに従う者には政治参加の方法にもう一つの特権があります。それが祈ることです。基本は「司法、立法、行政が神様の意思にかなって行われますように」という祈りです。


2) 勧める


 皆さんに与えられている能力は祈りだけではありません。神様が与えてくれる知恵を用いて「勧める」ことができます。勧めの90%はあなた自身が聴くことによって成り立っています。しかも、二つの方向から「聴く」ことが必要です。人からじっくりと聴くことと、神様から注意深く聴くことです。よく聴く人でなければ、適切に祈ることも、勧めることもできません。先入観や偏見で自分の考えを伝えることは牧師のする勧めではありません。それは言うことを聞かせることではないのです。この人自身は何を望んでいるのか?その言葉を聴くことはもちろんですが、口で言っていることと思いは異なっているということはよくあることです。だからよく聴くのです。行間を読むという表現がありますが、言葉と言葉の間の沈黙や仕草からも聴くことが出来ます。このことは特別な技術ではありません。ただ本当にこの人の思いを聞きたいという願いと忍耐、そして聖霊の助けによって可能です。聴きながら、時々神様に問いかけます。「私はちゃんと聞いているでしょうか?」このように、本人からも神様からも十分聴くということがあった上で、必要なら勧めをするのです。


B. 神様の意思を知る (4-6)

4 神は、すべての人々が救われて真理を知るようになることを望んでおられます。
5 神は唯一であり、神と人との間の仲介者も、人であるキリスト・イエスただおひとりなのです。
6 この方はすべての人の贖いとして御自身を献げられました。これは定められた時になされた証しです。

 最初に牧師としての役割を果たすための前提として福音を正しく知っている必要があるとお話しました。それは聖書の専門家、神学校で学んだ人だけにできることではありません。字が読めなくても不可能ではありません。真理はシンプルです。全てを作られた神様とあなたとの関係を十字架の犠牲によって回復して下さった、人となられた神様、イエス・キリストを信じ、従って歩むことです。この真理をひとりでも多くの人に知ってもらう事を神様ご自身が望んでおられるのです。この事のために、神様は私たちを用います。私たちは心を尽くし、思いを尽くし、力を尽くしてイエスを愛するように人々を愛します。その人が幸せの秘訣として、イエスを知ることができれば最高に嬉しいのです。そうすればその人は私たちがイエスの代理人に過ぎなかったことを知り、イエスと直接つながることが出来るのです。それはまた、その人も牧師として働き始めることが出来るということです。


C. 自分の務めを知る (7)

7 わたしは、その証しのために宣教者また使徒として、すなわち異邦人に信仰と真理を説く教師として任命されたのです。わたしは真実を語っており、偽りは言っていません。


 あなたも牧師ですとお話してきましたが、それではあなたの牧師は誰でしょう?それは私ではありません。神、イエスご自身があなたの牧者なのです。ヘブライ人への手紙(13:2)の著者は、イエスを大牧者と表現しています。ある教会では神様の権威をヒエラルキー(階級制度)のように考え、神様>イエス>牧師>人々と教えます。「イエスが神様に従順だったように、牧師はイエスに従順に従います。だからあなたは牧師に従いなさい。牧師には逆らってはいけない神の権威を持っています。」これはイエスの考えではありません。ルターはそれまでの聖職者が神様と人との間に立つような考えがイエスから来たものではないことを万人祭司という言葉で明らかにしました。皆さん一人一人が直接イエスに従って歩いてゆくことができるのです。教会の牧師は、皆さんが牧師として活躍できるようにお世話をするという役割を持った者であって従うべき権威では決してありません。教会の牧師はサッカーティームのキャプテンのような者です。監督はイエスです。オーナーは神様です。しかしイエスご自身が神様なのですから、オーナー自らチームを指揮する監督のようなティームであるわけです。皆さんはキャプテンを通してではなく監督から指示を受けます。キャプテンは監督の意志がティーム全体によく伝わるように、皆に声をかけ、励まし、調整する者として立てられているのです。ルターが根拠としたテキストは、ペテロの手紙の「しかし、あなたがたは、選ばれた民、王の系統を引く祭司、聖なる国民、神のものとなった民です。それは、あなたがたを暗闇の中から驚くべき光の中へと招き入れてくださった方の力ある業を、あなたがたが広く伝えるためなのです。」(第一ペテロ2:9)。黙示録の「彼らをわたしたちの神に仕える王、また、祭司となさったからです。彼らは地上を統治します。」(黙示録5:10)
 私たちの基本的役割は「祭司」であるということがわかりました。イエスに従う祭司の務めは、基本的には愛すること、世話をすることです。しかしもう一つ忘れてはならないことがあります。それは、人々に「あなたも祭司になれる。イエスを自分で知り従う者となれる。イエスご自身がそれを望んでおられる。」というメッセージを発信し続けるということです。


メッセージのポイント
イエスに従う者は、それぞれが置かれたところで牧師の働きをします。それは、神様の意思に従って、そこにいる人の魂、心、体のケアをするということです。良い牧師は、適切に祈り勧めます。イエスの福音を正しく伝えます。そして神様の意思と自分の役割をもっとよく知るために努力を惜しみません。

話し合いのために
1) どのように為政者のために祈るべきでしょうか?
2) あなたはどんな務めを与えられていますか?

子供達のために
どんなに小さくても、いろいろなことを祈ることが出来ます。子供たちの祈りの焦点を広げて上げて下さい。子供たちもまた、置かれたところで牧師なのだと励まして下さい。周りの人々のために祈ってあげること、何かをしてあげることができるからです。