2003/10/19 メッセージノート
霊的リバウンドに気をつけよう マタイ12:43-45
10年位前にコレステロールが多いということで、医者に体重を落としなさいといわれたときは私の体重は65kgくらいでした。まだ横浜に住んでいたころで、ターザンという雑誌を参考に、ご飯は1杯、間食はしない、朝大体毎日1時間走るというダイエットで半年で10kg落として、自分では一番コンディションのいいと感じられる55kgとなりました。当時の教会のメンバーだったお医者さんは、私ががんになったのかと心配してくれたほどのやせ方でした。わたしはこのダイエット成功で私はいつでもやせられるという変な自信が付いて、体重計に乗るのをやめてしまいました。ところが5年前、また健康診断でコレステロールが多すぎるということになってしまいました。ウエストのサイズがベルト2つ以上増えていましたから薄々気付いてはいましたが、体重は何ともうすぐ70kに届くくらいになっていたのです。忙しくしていた時期で走る時間もなく食事で約一年かけてまたベスト体重に戻しました。そしてまた安心して63kgです。今はまたコレステロール値が少し高くウォーキングとジム通いで60kgまで戻ってきているところです。体のダイエットではこのように体重が元に戻ったり、それ以上になってしまうことをリバウンドといいますが、リバウンドは体と同じようにあなたの心にも起きるのです。
A.霊的リバウンドの実例
今日の聖書を読んでみましょう。
「汚れた霊は、人から出て行くと、砂漠をうろつき、休む場所を探すが、見つからない。 それで、『出て来たわが家に戻ろう』と言う。戻ってみると、空き家になっており、掃除をして、整えられていた。 そこで、出かけて行き、自分よりも悪いほかの七つの霊を一緒に連れて来て、中に入り込んで、住み着く。そうなると、その人の後の状態は前よりも悪くなる。この悪い時代の者たちもそのようになろう。」
イエス様はこのたとえで2つのレベルの霊的リバウンドについて警告しています。
1. ユダヤ民族に起こった霊的リバウンド
一つはイスラエル民族全体に起きていた霊的リバウンドです。イスラエルの歴史は短い神様の目に正しい時代と長い不正の時代が交互に繰り返していました。そして長期的に見れば、悪い方向に向かっていました。教会の2000年の歴史も霊的リバウンドの歴史だったということができます。教会は幸いなことに、リバウンドのたびにひどくなるということが無く(それは神様の恵みにほかなりませんが) 今も神の国の前進のために用いられています。でもわたしたちが、物質的に、霊的に恵まれているときに、それを当たり前と思い、油断しているとリバウンドは秘かに忍び寄ってくるのです。旧約聖書の時代、神様が預言者を送ってリバウンドを食い止めましたが、今はイエス様に忠実に聞き従う人を用いて社会に働きかけられます。ユアチャーチは自分の平安、家族の平安、教会の平安だけでなく、社会全体のためにも祈り行動する人々の群となることを神様に期待されているのです。
2.悪霊を追い出してもらった人に起こる霊的リバウンド
もうひとつのイエス様が心配しておられるのは、一人一人の心に起こる霊的リバウンドです。イエス様との出会いはわたしたちの心の中に大きな革新を与えてくれます。心の中の罪が整理され、広々と風とうしよくなりましたが。まだ足りないことがあります。それは心の中を神様から来る良いもので満たすことです。イエス様を信じクリスチャンになった人が、信仰を失い以前よりもっと悪い状態になってしまうのを見ることはつらいことです。しかし、イエス様を信じました、洗礼を受けました。そこで満足して立ち止まってしまえば、必ずこの霊的リバウンドがやってきます。
B.霊的リバウンドを防ぐために
それでは霊的リバウンドを防ぐため、霊的リバウンドから回復するために、どのように心の中を神様から来る良いもので満たすことができるのでしょうか?二つのことをお話しします。自分のためにも、またあなたの周りのリバウンドに苦しんでいる人を助けるためにも、しっかりと心に留めてください。
1.主との交わりを大切にする
第一のことは、「主との交わりを大切にする」ということです。あなたは神様との関係を何よりも大切に優先順位の一番上においていますか? そうでないならあなたの心はサタンに対して全く無防備だということになります。たった一人で神様と向き合う時間を毎日少しでも持つという習慣を確立してください。体重を気にしている人は、毎日体重計に乗ります。霊的リバウンドに陥らない人は、毎日短くても礼拝、祈り、聖書の時をもっています。
2.主にある交わりを大切にする
もうひとつ欠かせない大切なことは、教会の兄弟、姉妹と共に過ごす時です。わたしはこの兄弟、姉妹という言葉を使うことを意識的に避けています。慣れていない人にとっては変な感じを与えてしまうからです。私は皆さんが互いに兄弟姉妹と呼びあってほしくはありませんが、心の中では、しっかりそう思っていてほしいと思っています。それはシングルの人が教会の中で結婚相手を探してはいけないということではありません。神様を天の父として同じようにあがめる者同士という意味でそう思ってほしいのです。この「兄弟姉妹」の関係の中で私たちは愛し合うことを実践的に学び、この学びを通して、もっとタフな状況の中でも、愛することができるようになるのです。この「兄弟姉妹」ということについては来週のメッセージでもっと詳しくお話しします。
メッセージのポイント
神様の恵みは豊かです。神様は私たちの必要を満たし、苦難から解放して下さいます。しかし、わたしたちは「神様が働いてくださった」そのときの感謝と畏れを簡単に忘れてしまう傾向を持っています。そして神様によって生かされている、神様と共に歩んでいるというという意識もいつの間にか薄れてゆき、やがて、つぶやきが心の中から出てきます。この状態を放置しておくなら、あなたがイエス様と共に歩もうとしたときの心の状態よりもっと悪くなってしまいます。この原理が働くのは私たちの心の中だけではありません。教会全体、また社会全体にも同じことが言えます。そこから悪いものを追放するだけでは十分ではありません。そこによいものを満たすことが必要です。
話合いのためのヒント
1.自分の霊的リバウンドの体験をシェアしましょう。
2.心を良いもので満たし続けるために大切なことは?