2004/2/29 メッセージノート  

悪い影響・良い影響 Evil Influence/Good Influence マタイによる福音書16章1-12

 あなたは自分が人に影響されやすいと思いますか?それともあまり影響を受けないと思っているのでしょうか?外側からは見えてこなくても人から影響を受けずにいられる人はいません。問題はどんな影響を与えるか、受けるかが問題なのです。いいクリスチャンの教師にめぐり合え、自分の天職もまた教師であると確信した人が教師となり、またその人を見て教師を志した青年がやがてクリスチャンスクールを作ったということがあったことを私は知っています。そうかと思うと、ある高校生は「将来ぜひ教師になりたい」と言いました。そこで「君がそれほどまでに教師になりたいのは、高校でよほど素晴らしい先生に出会ったんだね」と問うと、彼は「てゆうか、まともな先生いないんだよね。学校に、ですごく学校いやだったんで、俺がまともな先生になろうかなとかおもって」

 皆さんもきっと「あの人って悪い影響人に与えてるよね」という評判より「あの人は本当に回りにいい影響与えていますね」と思われる方がいいですよね。今日は最初に結論を言ってしまうのですけれど、良い影響を与えるために必要な第一歩は良い影響を受けることなのです。



A. 時代のしるしを知る Understanding the signs of the times

ファリサイ派とサドカイ派の人々が来て、イエスを試そうとして、天からのしるしを見せてほしいと願った。イエスはお答えになった。「あなたたちは、夕方には『夕焼けだから、晴れだ』と言い、朝には『朝焼けで雲が低いから、今日は嵐だ』と言う。このように空模様を見分けることは知っているのに、時代のしるしは見ることができないのか。よこしまで神に背いた時代の者たちはしるしを欲しがるが、ヨナのしるしのほかには、しるしは与えられない。」そして、イエスは彼らを後に残して立ち去られた。(1-4)

1) 見ようとせずに見えないと言い張る Insisting that it's invisible without trying to see it

ファリサイ派の人々がイエス様にしるしを求めたのは二回目のことです。(一回目は12章38節以下)ここでは今まで出てこなかったサドカイ派という人たちも一緒になってやってきたことがわかります。サドカイ派はパリサイ派(前回出てきた律法学者はパリサイ派の側に立っています)と対立する勢力でイスラエルの宗教界を二分していました。つまりイスラエルの宗教界の人々はすべてイエス様を敵視する状況になっていたということです。彼らは本当にしるしを示して欲しくて尋ねたのではなく、ただ自分たちの権威を正当化するためにイエス様を非難しようとしただけなのです。だからイエス様の答えは前回と同じです。しかしここでは「あなた方は天気のためのしるしを認めるのに、時代のしるしを見られないのか」と非難しています。



2) 判断の材料は与えられている The information necessary for interpretation has already been given

 イエス様が前回と同様に答えられた唯一のしるし「ヨナのしるし」とはどんなものだったのでしょうか?イエス様が前回詳しく述べられたので今回は省略された説明は「つまり、ヨナが三日三晩、大魚の腹の中にいたように、人の子も三日三晩、大地の中にいることになる。」というものでした。私が救い主であるという証明は、今ではなく後に「十字架と復活」でなされるということです。つまり地上で人として歩まれているイエス様を主と認めるということは当時の人々にとってはしるしなしに信頼するということを意味していました。そしてそれができたのはごく少数の弟子たちだけだったのです。十字架と復活の後はどうだったでしょうか?弟子たちはしるしによりイエス様を主と再確認し、確信が与えられたのです。やがて心をひとつにして祈っていた弟子たちの上に聖霊が下り、人々が増し加えられキリストの教会が誕生しました。私たちにとってもまたこのしるしが判断材料です。私たちイエス様が奇蹟をもたらすからでも、繁栄を約束するからでもなく、その私たちに対する誰よりも深い愛が表れた十字架の死と甦りによって信じているのです


B. 誰から影響を受け、誰に影響を与えるのか? By whom will we be influenced and who will we influence?

弟子たちは向こう岸に行ったが、パンを持って来るのを忘れていた。 イエスは彼らに、「ファリサイ派とサドカイ派の人々のパン種によく注意しなさい」と言われた。 弟子たちは、「これは、パンを持って来なかったからだ」と論じ合っていた。 イエスはそれに気づいて言われた。「信仰の薄い者たちよ、なぜ、パンを持っていないことで論じ合っているのか。 まだ、分からないのか。覚えていないのか。パン五つを五千人に分けたとき、残りを幾籠に集めたか。 また、パン七つを四千人に分けたときは、残りを幾籠に集めたか。 パンについて言ったのではないことが、どうして分からないのか。ファリサイ派とサドカイ派の人々のパン種に注意しなさい。」 そのときようやく、弟子たちは、イエスが注意を促されたのは、パン種のことではなく、ファリサイ派とサドカイ派の人々の教えのことだと悟った。(5-12)

1) 神様の影響力vsサタンの影響力 Influence of God vs. influence of Satan

イエス様は弟子たちに、ファリサイ派やサドカイ派といった人々が指導している共同体の中で宣教してゆく難しさを伝えようとしました。ファリサイ派やサドカイ派の影響力は社会全体に浸透していて、弟子たちが思う以上に強力であることを教えたかったのです。そして彼らを盲目にして裏で操っているのはサタンです。サタンの影響力というとなにやら恐ろしい超自然的な妨害を考えてしまいますが、実はサタンの攻撃も、ごく自然にやってくることのほうがずっと多いのです。この影響力から逃れるためには、礼拝、聖書、ミニチャーチで神様の影響をしっかり受けることです。いろいろな物事に影響されやすい私たちです。そして時にはあの時の弟子たちのように、イエス様の言葉を誤解し、正しく受け取れなくなってしまいます。時代や社会の人間に対する影響力がとても大きいことをイエス様は警告されましたが、それは今も変わりありません。でも警戒する必要はあっても恐れたり、あきらめたりする必要は全然ないのです。なぜなら神の国自体も同じパン種でたとえられているように大きな影響力を持つからです。「天の国はパン種に似ている。女がこれを取って三サトンの粉に混ぜると、やがて全体が膨れる。」(マタイ13:33)

2)次の世代に伝えたい神様の恵み Passing the grace of God onto the next generation

神様から良いものをいただくなら、あなたは誰かに良いものを与えることが出来ます。神様からの良い影響を受けているなら、あなたの存在自体が、家庭で、職場で、教室で、またあなたの行くところ行くところで祝福となるのです。たとえ神様についてお話しするチャンスがなくても、居心地が悪いと感じられるようなときでも、その場所に自分が神様によって「置かれている」と考えてみてください。外にいて寒いとき太陽が出ていれば、太陽に向かって、体を出来るだけ大きく開いて熱を出来るだけたくさん受け止めようとします。あなたは神様の恵みを受けるために、神様に顔を向け、全身を広げるようにしていますか?それとも冷たい風を避けるかのように、顔を背けてできるだけ体を小さく丸めて祝福をやりすごしてはいませんか。神様の恵みの太いパイプになるために礼拝で、ミニチャーチで、また聖書からもっと神様の良いもの貪欲に受け取ってください。


メッセージのポイント

イエス様を信じなくてもよい言い訳をみつけようとすれば、いくらでも出てきます。しかし、聖書を素直に読み、自分を正直に見つめるなら、イエス様は自分の人生にとって必要不可欠な方であることが分かります。人は互いに影響を受けたり与えたりしなから生きています。

 以上のことは私たちの前に二通りの道が用意されていることを意味しています。ひとつは真理を知り真理を伝える道。もうひとつは真理は見えないと言い張り、真理など無いというメッセージを伝える道です。

If we try, we can find many excuses for not believing in Jesus. But if we read the Bible as it is written and take honest looks at our ourselves, we will realize that we cannot live without Jesus. Human beings influence each other during their lives. All these things point to the fact that we must choose between the two paths in front of us. One of them is understanding the truth and passing it on. Following the other path means insisting that truth is invisible and spreading the message that there is no truth.

ミニチャーチのためのヒント

1)ファリサイ派の人々らはなぜしるしをほしがったのでしょうか?

Why did the Pharisees ask for a sign?

2)あなたはイエス様を信じる前、何からー番大きな影響を受けてきましたか?

Before you believed in Jesus, what was the greatest source of influence in your life?