December 23rd, - 29th, 2007 Vol.14 No.51

2007/12/23 メッセージプラン アドヴェントシリーズ(4/4) クリスマスメッセージ

インマヌエルと呼ばれる方の誕生 マタイによる福音書1章18-25節

<シリーズ全体の教えのフォーカス>

アドヴェントは、クリスマス前の4週のことです。イスラエルはその苦しみの歴史の中で救い主が現れることを永く待ちわびていました。イエスキリストの誕生が人類に与えた大きな変革の意味を、このアドヴェントの期間にもう一度深く心に刻み付けましょう。

皆さんはこの一年どんな本を読みましたか?お話を楽しむための本もあれば、何かを知るため書かれた本もあります。聖書はとても不思議な本です。間違いなく世界で一番多く印刷された本です。最も多くの言葉に翻訳され、今も翻訳され続けている本です。またもっとも長い期間にわたって発行され続けている本です。どんなに面白い本でも10回以上読み返すことは殆どありませんが、聖書の魅力を知った人は一生の間繰り返し読み続けます。それは聖書が人間にとって一番重要な本だからです。聖書には何が書いてあるのでしょう?それをもっとも短く表現するなら、聖書はイエスキリストが神様であるということを伝えてくれる本だ、といえるでしょう。今日のテキストはこの方の誕生の次第が記されています。

イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。(18) 夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。(19)

このように考えていると、主の天使が夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。(20) マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」(21)

このすべてのことが起こったのは、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。(22) 「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。(23)

ヨセフは眠りから覚めると、主の天使が命じたとおり、妻を迎え入れ(24)、 男の子が生まれるまでマリアと関係することはなかった。そして、その子をイエスと名付けた。(25)

A 旧約聖書の預言の成就が始まった

1) 特別な預言が特別な人の誕生として成就した

 聖書は旧約と新約に分かれています。イエス様がこの世界に来られる前に書かれたのが旧約聖書、イエス様の誕生から始まるのが新約聖書です。ですから旧約聖書にはイエス様のことは書いてあるはずがないのですが、実は旧約聖書にもイエス様について書かれている部分があるのです。22節と23節は旧約聖書のイザヤの預言に基づいています。つまり旧約聖書にはやがてイエス様が救い主として来られることを約700年前から預言というかたちで記されていたということです。

2) 名前が表すイエス様の恵み

イエスという名は当時のユダヤでは特別な名前ではありませんでした。今では日本ではイエス、英語圏ではジーザスとお呼びしますが、原語はギリシャ語のイエスースです。そしてこの言葉はヨシュア、ジョシュアのヘブル語の原語イエーシューアのギリシャ語読みなのです。

 天使は「その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」とヨセフに語りかけました。

その名はユダヤではありふれたものとなり、その名の示す意味に心を留める人はいませんでした。しかし天使は生れてくる子供が、つけられた名の意味を現実のものとする人となると言ったのです。私たちその成就した現実を今ここで味わっています。

B 救われているとは、神様があなたと共にいて下さる状態

1) イエス(救い)=インマヌエル(神は我々と共におられる)

イザヤが預言していたインマヌエルと呼ばれる方の誕生に際して、天使がその子をイエスと名付けなさいと命じたのは、イエス(救い)という言葉とイマニュエル(神は我らと共におられる)という言葉に深い関連があるからです。関連というより、救い=イマニュエル、救われているということは神様とともに歩んでいることだ、と考えて下さい。私たちはそれぞれ、いろいろな状態から救われて、今、神様とともに人生歩んでいます。しかし今も多くの人が何かから救われたいと思っていますが願いはかなっていません。その理由は単純です。人は何から救われたいか、を考えるばかりで誰が救って下さるのか、誰とともに歩むことが本当の平安なのかを考えないからです。人生には悩みが絶えません。すべての悩みがなくなるのは天国に帰ってからです。けれども、この地上の歩みにおいて、どんな悩みがあっても、神様ともに行くなら、それにまさる喜びと平和があなたの心を満たします。

2) 父ヨセフの「神様の現実を受け入れる信仰」にならって

 イエス様の父ヨセフは母マリアと違い、イエス様が成長されてからは全く聖書に登場していません。早くに亡くなったと考えられます。しかし、彼もまた神様の救いの計画の中で大切な役割をはたしました。彼はイエス様の誕生をどのような気持ちで迎えたのでしょうか?最初の部分ではヨセフの戸惑いがよくわかります。常識で考えればとても受け入れがたい現実に直面していました。しかし天使が語りかけたその内容によって、このことは単に自分にとってだけの出来事ではなく、神様の世界に対する特別な出来事なのだということを知ったのです。 だから彼は、身重のマリアを守り、イエス様が誕生してからは、イエス様の身に迫る危険をさけて二人を守ったのです。

 神様が天使を通してヨセフに語りかけられたように、神様は今も私たちに呼びかけられています。クリスチャンは、信じがたい神様の言葉を聞いて信じた、という意味でヨセフと似た立場に置かれています。ヨセフをその計画に用いた神様は、あなたをも御計画に用いられます。多くの人が自分の計画のために生きている世の中で、神様の計画のための生きることは時として困難を覚えます。神様は理解していて下さっていても、人々の理解を得られるとは限りません。神様は喜んで下さっても、人々が喜ぶとは限りません。むしろ神様に従うことによって迫害を受けることさえあるのです。ヨセフは聖書では出番の少ない人でしたが、神の言葉を聞いて、信じて、行った人です。

 あなたもイマニュエルという現実を知っているなら、どんな困難があってもヨセフのように、現実をみてもひるまず、聞いた言葉を信じて、行う人として歩むことができます。

<子供たちに伝えたいこと>

インマヌエル(神様は私たちと共におられる)という言葉を覚えましょう。

私たちは、神様が共におられることを、イエス様の誕生で確信しています

どんなときでも、特につらい時、悲しい時に「インマヌエル」を思い起こしましょう

メッセージのポイント

イエス様の誕生は、旧約聖書の預言の成就です。旧約聖書はいろいろな表現で、やがて来られる救い主がどのような方であるかを伝えています。イエス様が「インマヌエル」と呼ばれる方としてこられると預言したのはイザヤです。「神様は私たちと共におられる」という意味のこの言葉には深い慰めと、どんな境遇の中でも生き抜く強い力があります。神様はどこにもいないのでもなく、天におられて私たちのことを他人事のように見下ろしているのでもなく、共にいて下さる方なのです。神様はこのことを、御自身をイエスという一人の人として現された、クリスマスから十字架に至る短い地上での歩みを通して、それが私たちにとって現実であることを知らせて下さいました。この実際に与えられている力によって、私たちは神様の国の前進という使命に生き続けることができるのです。

話し合いのヒント

1) インマヌエルとはどのような意味の言葉ですか?

2) このメッセージを聞いてあなたのクリスマス観はどう変化しましたか?