May 3rd, - 9th, 2009 Vol.16 No.18
約束を忘れない (2 Peter 1:1-15)
今日から、もう一つのペトロの手紙を読んでゆきます。この手紙が書かれた目的は、偽教師と呼ばれる人々が小アジアの教会に悪い影響を及ぼしていたことに対して、人々に注意を呼びかけ、偽教師の教えに耳を貸してイエス様から離れてしまうことを防ぐことでした。偽教師は形を変えて現代の教会にも脅威を与えています。偽教師は、現代ではさらに巧妙に私たちの心につけ込もうとしています。せっかくイエス様に救われ新しい命をいただいて歩み始めたのに、それを捨ててしまうばかりか、偽りの教えを真理と信じ込み、キリストの体である教会を否定して、自分たちこそ真のキリスト教だと主張するような者たちです。モルモン教(末日聖徒イエスキリスト教会)やエホバの証人などは、よく知られていますが、教会の中にも、そのように呼ばざるを得ないような教師が存在します。この時代の偽教師がどのような者であったかは、シリーズの中でお話ししてゆきますが、本物と偽物の基準は時代を超えて変わらないものなので覚えておいて下さい。本当の教師とは、1)イエス様が本当に人となられた、本当の神様であること。2)イエス様が私たちの罪の身代わりとなって十字架にかかられ、よみがえられたこと。3)神様はお一人で父、子、聖霊の三つのかたちで御自身を表わされること。4)イエス様が自分の罪を十字架で赦して下さったことを信じ、彼を主として従い、彼の愛にならって生きること。 を教える人です。
A 神様を知ることによってもたらされる恵みと平和 (1-11)
イエス・キリストの僕であり、使徒であるシメオン・ペトロから、わたしたちの神と救い主イエス・キリストの義によって、わたしたちと同じ尊い信仰を受けた人たちへ。 神とわたしたちの主イエスを知ることによって、恵みと平和が、あなたがたにますます豊かに与えられるように。 主イエスは、御自分の持つ神の力によって、命と信心とにかかわるすべてのものを、わたしたちに与えてくださいました。それは、わたしたちを御自身の栄光と力ある業とで召し出してくださった方を認識させることによるのです。(1-3)
目に見えない神様を知ることは誰にもできません。神様は、そんなわたしたちのために目に見える神様、イエスキリストとして、その姿を現されました。イエス様の生き方と十字架と復活によって、私たちは神様とともに生きる者となれたのです。イエス様を主と信じることは、ゴールではなく素晴らしい旅の始まりです。恵みと平和がますます豊かに与えられる、とあるとおりです。イエスキリストは永遠の命と決して裏切られることのない信頼関係の中に私たちを招き入れて下さいました。この関係は永遠に保たれるのです。私たちはすべてを受け取ってしまったわけではないのです。不完全である私たちが完全な神様を知ることはこの地上ではできません。その意味では私たちの生涯は、もっと主を知ることの歩みなのです。しかし、私たちには全く神様についての知識がないわけではありません。おぼろげではあっても神様に背を向けていた頃に比べればずいぶん多くのことを知ることができたのです。そしてその結果、素晴らしい恵みと平和に与ってきました。神様はあなたにこのことに関してもっと熱心に私を知ってほしいと願っておられます。それはもっとあなたに良いものを受け取ってもらいたいと願っておられるからです。
この栄光と力ある業とによって、わたしたちは尊くすばらしい約束を与えられています。それは、あなたがたがこれらによって、情欲に染まったこの世の退廃を免れ、神の本性にあずからせていただくようになるためです。 だから、あなたがたは、力を尽くして信仰には徳を、徳には知識を、知識には自制を、自制には忍耐を、忍耐には信心を、信心には兄弟愛を、兄弟愛には愛を加えなさい。 これらのものが備わり、ますます豊かになるならば、あなたがたは怠惰で実を結ばない者とはならず、わたしたちの主イエス・キリストを知るようになるでしょう。(4-8)
皆さんはこの一度きりの人生にどんな花を咲かせ、実を実らせたいですか?農夫は豊かな収穫のために、あらゆる犠牲を払って世話をします。収穫のためには様々な注意が必要ですが、どんなに良い手入れをしても、栄養が十分でなければ収穫は期待できません。私たちは人生に必要な栄養を自分で作り出すことができません。神様ともっともっと親しくなることによってのみ、ここに書かれている信仰、徳、知識、自制、忍耐、信頼、兄弟愛、愛が備わるのです。そしてこれらのものがあなたの人生に素晴らしい収穫を与えてくれるのです。そして、それがさらに主を知ることにつながる好循環をもたらすのです。
これらを備えていない者は、視力を失っています。近くのものしか見えず、以前の罪が清められたことを忘れています。だから兄弟たち、召されていること、選ばれていることを確かなものとするように、いっそう努めなさい。これらのことを実践すれば、決して罪に陥りません。 こうして、わたしたちの主、救い主イエス・キリストの永遠の御国に確かに入ることができるようになります。(9-11)
これらのものを備えていない者とは、徳、自制、忍耐といった一つ一つの徳目がどうかというよりも、神様を知ることによって得られる恵みで成長しさらに良く主を知る者となる良い循環に生きていない者だと考えて下さい。それぞれの徳目は成績表のそれぞれ独立した採点基準のようなものではありません。大切なのは、もっと主を知ろうという願いなのです。この願いを失うなら、それまでどんなに立派な信仰の歩みをしてきたとしても簡単に逆のスパイラルに陥ってしまいます。 イエス様がなさった種まきの譬え(マタイ13、マルコ4、ルカ8)を思い出して下さい。素晴らしい栄養が用意されていても、与え続けなければならないし、雑草を抜いたり、害虫から守ったりという手入れが必要なのです。皆さんは神様に救われて天国行きの切符を手に入れただけのお客さんではありません。召された者として選ばれた者です。神様の働きの担い手として、ボスの思いをよく知って働き、さらにもっと良く働くことができるように、主を知ることに努めましょう。
B 約束を忘れないために絶えず思い出す (12-15)
従って、わたしはいつも、これらのことをあなたがたに思い出させたいのです。あなたがたは既に知っているし、授かった真理に基づいて生活しているのですが。 わたしは、自分がこの体を仮の宿としている間、あなたがたにこれらのことを思い出させて、奮起させるべきだと考えています。 わたしたちの主イエス・キリストが示してくださったように、自分がこの仮の宿を間もなく離れなければならないことを、わたしはよく承知しているからです。 自分が世を去った後もあなたがたにこれらのことを絶えず思い出してもらうように、わたしは努めます。(12-15)
なぜ牧師はいつも同じことばかりを言うのだろう。十字架と復活が原点です。神様を礼拝することを何よりも大切にして下さい。聖書は誤りのない神様の言葉です。聖書以外には聖典はありません。神様だけを信頼しましょう。イエス様だけが希望、愛の源泉です。私たちはたった一つのキリストの体の一部です。 ミニチャーチを大切にしましょう。私の話がほとんどこれらのことについての繰り返しであるのは、ペトロがそうしているのと同じ理由です。語っている牧師もふくめて私たちは皆これらのことを繰り返し思い出していなければ、恵みから迷い出てしまう恐れがあるからです。ペトロは自分の死期が近いことを知っていたのでしょうか?誰もそれがいつであるかは分かりません。私も、その日が来るまで、このことを伝え続けたいのです。それは皆さんが全生涯を通して神様から離れることなく約束に国に帰る時まで恵みと平和の中を歩んでいただきたいからです。
メッセージのポイント
終わりの時の救いは、主に従って歩む者に与えられている神様の約束です。この約束を忘れずに希望を持って歩み続けられることがクリスチャンに与えられている大きな特権なのです。しかしこの約束を忘れさまよい出てしまう人は少なくありません。そのようにならずに、神様の恵みを豊かに受けて平和の中を歩むためには、神様をよく知ることが大切です。それはあなたに神様の力による霊的成長をもたらすための、また道をそれたり迷ったりして、一度得たものを失わないための力となります。
話し合いのためのヒント
1) 私たちにはどのような約束が与えられているのですか?
2) 約束を忘れないように絶えず思い出すためにどうしたら良いのですか?