神様、ありがとう!

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神様、ありがとう!

詩編 104:10-23

永原アンディ


1. 水の恵みを (10-13)

あなたは泉を湧き上がらせて川とし山々の間に流れさせる。
野のすべての獣はその水を飲み 野ろばも渇きを癒やす。
空の鳥は水のほとりに巣を作り こずえの間からさえずり歌う。
主は高殿から山々を潤す方。主の業の実りで地は満ち足りる。

 残念ながら過去のことになってしまいましたが、日本は安全なだけでなく飲んでも美味しい水がタダだった国です。子供の頃に暮らしたのは東京の市街地でしたが、庭に井戸があり、夏には冷蔵庫いらずの冷たい水が飲め、スイカを冷やして食べたものです。   
今でも水質はともかく、水に困ることはないのが当たり前ですが、聖書の舞台であるイスラエル人にとって水はとても貴重で、それが神様の恵みであることを人々はよく知っていました。

人間の体の60%は水分です。人間だけでなくほとんどの生き物、植物は水なしでは生命を維持することはできません。それほど重要なのに人間は地球上の水の循環でさえ意のままにはできません。できることといえば、降ってきた水を地上にためておくことくらいです。それを享受できることは神様の恵み以外の何物でもありません。

 この詩に限らず、聖書では、神様の恵みがよく水を用いて説明されます。それは、実際の水にも増して人が生きるのに大切な恵みです。肉体が維持されるための水、体の栄養を運ぶことにも用いられる水に例えているのは、私たちの魂を渇かさせないための命の水です。

確かに神の元からやってきて、私たちの心を満たす命の水。それはなんでしょうか?それは人となられた神、イエス・キリストです。

いのちの水を飲んだものは、もう決して渇くことはありません。この体が生き物としての命を維持できなくなってからでさえ、私たちが生き続けるのはこの水を持っているからなのです。


2. 神様のくださる良いものを (14-18)

家畜のために草を 人間の働きに応じて青草を生やす方。
こうして主は地からパンと
人の心を喜ばせるぶどう酒を生み出し油で人の顔を輝かせる。
パンは人の心を強くする。
主の木々、主の植えたレバノンの杉は満ち足り
そこには鳥が巣をかけ こうのとりは糸杉を住みかとする。
高い山々は野山羊のもの 岩場は岩狸の逃れ場。

 神様は確かに人をご自身に似せて作られましたが、それは神様が人間だけを愛し、人間だけを恵みに預からせようとしたわけではないことがこの部分からよくわかります。野生の動物にも、家畜にも糧を与え、すみかを与え、隠れる場所を与えてくれます。

もちろん人間にも必要の全てを与えてくださっています。パン、葡萄酒、油のために、麦やブドウの木やオリーブの木を備え、毎年その恵みに与ることができるようにしてくださいました。

使徒パウロは祈りの中でイエスに「あなたへの恵みは十分ではないか」と言われたことを記録しています。しかし本当はパウロだけではなく誰もが十分に満たされ、誰一人飢え渇くことはないはずなのです。このことと現実との間のギャップをどう考えたら良いのでしょうか?残りの部分を読んで考えましょう。


3. 調和をもたらす神様のシステムを (19-23)

主は季節のために月を造った。太陽は沈む場所を知っている。
あなたが闇を造られると夜になり その中で森の生き物はみな動き回り
若獅子は獲物を欲してほえ 神から食べ物を求める。
太陽が昇ると、それらは戻って巣穴に伏し
人は仕事に出かけ日暮れまで働く。

 先に地球の水の循環システムも人が作り上げたものではなく、神様が備えてくださったものであることに触れましたが、実は地球のシステムどころか、宇宙のシステムも、こうでなければ人は生きながらえることができないほど緻密な神様の創造であることがこの部分でわかります。 地球を回る月、そしてこの地球と他の惑星が独自の軌道で回る太陽。多くの気体が絶妙のバランスで配合された地球の空気のことを考えてみてください。

 人間が排出したフロンガスや二酸化炭素は度を越せばそのバランスを危うくすることや、生物、植物の生態系も人間の営みによって大きく変わってしまうことも知られてきました。実際に人間の生活の豊かさや利便性を追求してきた20世紀には様々な深刻な問題が起こりました。
 最近、政府主導で言われている「働き方改革」というのもよく吟味する必要があります。

人は神様の与えた世界を尊重しもっと謙虚に生きなければなりません。 現実はどうでしょう?いくら手に入れても十分ではないと感じ、他者がより多く、或いはより良いと思われるものを持っていれば、なんとかして自分のものにしようという行動が、個人単位で、民族単位で、国家単位で起こされます。これが聖書の言う罪の正体です。

 幸いなことに、遅ればせながら、人々はこのままではいけないという気づきが与えられ始めたようです。自然保護や紛争防止のための条約が結ばれ、人間はどこに生まれようと健康な生活を営む権利があり、差別、迫害は許されないと言う共通理解はできつつあります。

 しかし人のうちに罪の性質がある限り私たちは、神様の助けを借りなければそれを実現することはできません。一人一人がイエスのように思い、行動すれば、その神様の働きに参加することができます。

 この世界が少しでも、神様が作られた時の美しさを取り戻すことができるように、創造を感謝し、創ってくださった神様を讃えながら歩んでいきましょう。

(祈り)
 神様、あなたが創り、私たちを生かしてくださっているこの世界をありがとうございます。世界があなたの恵みで満たされていることを忘れがちな私たちですが、今日の詩を通して、この世界があなたにしか創ることのできないものであることを確認しました。

 あなたに選ばれて、あなたの思いに従って、この世界を守ってゆくことができるように、あなたの知恵を教えてください。

 私たちは、あなたをたたえて、いただいている恵みを感謝して、愛であなたの世界が輝きを取り戻すことに努めます。どうぞ私たちを導いてください。


メッセージのポイント

パンデミック、恐ろしい事故、事件、国際紛争、環境破壊、諍い、病。神様の創造した世界はどうなっていくのか?希望を持つのはもはや愚かなことなのか?そのように感じられるなら、もう一度、この詩から神様の”地球愛”を思い出して感謝しましょう。現状は私たちの目から見て理解不能でも、神様は働き続けておられます。惑わされずに、イエスのように、イエスと共に歩みましょう。


話し合いのために

1)最近、神様に「ありがとう」を言った三つのことを思い出してください。
2)聖書は<水>を象徴として何を教えてくれますか?


子供たちのために(保護者のために)

水のなくてはならない大切さ、それを管理する難しさ、人体の水分量(子供の場合70%)の話題から、神様が私たちの命を根底から支えていてくださることを伝えてください。日々の糧はもちろん、天体の運行や、生態系、空気の絶妙な配合バランスなど、どんなことが起こっても神様が私たちを守っていてくださるので、<私たち家族は、心配しないでイエス様に従っていきましょう>と励ましてください。