暴力が心に与える影響

★このページの情報は、NPO法人レジリエンス作成オリジナル資料の一部を改変して掲載しています。文責はユアチャーチ池田にあります。文中の「☆さん」とはDVや虐待の被害者のことを指しますが、自分自身で輝く力を持っている人という意味で、敬意を込めてそう読んでいます。「Bさん」は加害者のことで、暴力を振るう人という意味の英語のバタラーの頭文字を取っています。


暴力の種類はたくさんあります。でも、テレビなどのメディアでDVとして報道されるのは、ほとんどの場合、☆さんが殺されたり大怪我をした後です。その結果、世間一般では「DVとは命を落とすほどの悲惨な身体的暴力」というイメージになりがちです。それは、実際に起こっている暴力全体のほんの一部分に過ぎません。

 


どんな暴力であっても、暴力は必ず心の深い部分を傷つけます。それが根っこのように心の中に残って、トラウマとなります。

 

加害者から離れて、現実には暴力がもうなくなっていても、楽になったと感じにくいのは、このトラウマの部分が残っているからです。

 

体の傷は時間の経過とともに良くなるかもしれません。でも、心の傷は、残念ながら自然と良くなっていくわけではないことが多いです。

たとえば、交通事故で骨折した場合と、暴力によって骨折した場合では、骨折自体はどちらの場合も時間の経過とともに治るかもしれませんが、暴力によって受けた心の傷には別のケアが必要で、体の回復よりも時間がかかります。

心と体の仕組みは違うので、心の傷は10年経っても20年経ってもそのままのこともあります。ですから、目に見えない心の傷をきちんとケアすることが大切です。