加害者は被害者を孤立させる

★このページの情報は、NPO法人レジリエンス作成オリジナル資料の一部を改変して掲載しています。文責はユアチャーチ池田にあります。文中の「☆さん」とはDVや虐待の被害者のことを指しますが、自分自身で輝く力を持っている人という意味で、敬意を込めてそう読んでいます。「Bさん」は加害者のことで、暴力を振るう人という意味の英語のバタラーの頭文字を取っています。


●加害者の二面性

加害者には二面性があることがよくあります。目の前にいる人によって態度を切り替える人たちです。残念ながら、こういう人たちは世の中に少なくありません。

多くの加害者は、自分にとってメリットのある人たち(例えば職場の上司や友人、近所の人たち、調停員や弁護士など)に対しては、暴力的なことをしたり、差別的な態度を見せたりすることはありません。非常に常識的で、「良い人」と思われていることがよくあります。「穏やか」「紳士的」「礼儀正しい」「おとなしい」「やさしい」などの顔しか見せていないからです。

一方で、見下してもいいと判断した人たちに対しては全く違った態度に出ます。軽蔑した態度をとったり、暴言を吐いたり、支配的・暴力的・差別的な言動をします。☆さん以外に、子供、会社の部下、店員さん、女性、違う国籍や人種の人たちなども含まれるかもしれません。

 

●加害者の二面性によって☆さんが孤立させられる

 

でも、加害者の「いい人」の顔しか知らない人たち(左側の領域の人たち)が、加害者の暴力的な話(右側の領域の人たちの話)を聞いても、信じられません。逆に、「☆さんが変なのではないか」と思ってしまうこともよくあります。また、加害者から「☆さんは少し精神的に弱いから…」などと言われれば、そのまま信じてしまう可能性は十分あります。そして、☆さんは周りに理解されず、「自分がおかしいのかもしれない」と混乱し、孤立を深めてしまうことがよくあります。

 

●「家の中は別ルール」はあぶない

また、「家の中で起こることは世間のルールとは別ルール」のような感覚もあるかもしれません。公の場で起きたら傷害罪や名誉毀損になることが、家の中ではとがめられないままになってしまうのです。

 

 

 

「これが公共の場で起きたらどうか」ということを考えると、問題を問題として認識しやすくなります。

 

 

 

これは家庭内だけでなく、学校や職場など、閉鎖的な人間関係で起こること全てに言えます。例外を作ってしまったら、暴力は容認され続けてしまいます。

 

暴力をふるっていい人は誰もいません。

暴力をふるわれていい人も誰もいません。